OTTOです。その五
2024-08-18 22:21:59
いくら考えてみても間違った音は間違ったままです。 もうどうして良いか分からなくなって出版社に抗議の手紙を出そうかと思ったくらいです。 親友とそんな話をしていたら彼が「音楽の先生に見てもらおっか?」と言い出しました。 「えぇ~でも音楽の先生にビートルズがわかるかなぁ?」 「楽譜の見方ぐらいわかってるでしょ」 「そうだよね。うん、明日見てもらおう」 「そうしような」 翌日僕と親友はビートルズのピアノ譜を持って学校(中学)に行きその放課後に 音楽の先生(男性教師)のもとにかけてゆきました。 「先生!この譜面間違ってるんじゃないかと思うんですが…」 僕は歌本で鍛えた譜面読みに自信があるので勢い込んでそう言いました。 「どれどれ、見せてご覧」 「ほらドで弾くべきところがラになってます。間違えてるでしょう?」 「あー成程。」 そして先生は僕の自信を打ち砕く一言を言い放ったのです。 「どこも間違ってないよ。ちゃんとドになってるよ。」 僕も負けてはいません。 「でもこれはラになってますよ。」 「うん。君はト音記号とへ音記号ってしってる?」 僕は知りませんでした。 つづく